グラフィックデザインに見た夢。

何を成してグラフィックデザインとするのか。新しい表現やシーンとしてではなく、何がグラフィックデザインとして定義され、形作られるのか。その判明こそが最大の課題でした。そして、これからお見せするものが答えです。ここにこそ全てがあります。ずっと探していたもの。ずっと追いかけてきたもの。ずっとずっと、それがなんなのかさえ分からず、ただひたすらに前を向いて、グラフィックデザインの判明に人生を時間を費やしました。先を見る、というよりも、いかに後ろを振り返り認知するかという作業が多かったように思います。デザインが生まれたという事は、過去に全てがある事を示唆しています。次の新しい事ではなく、過去にあったものをリバイバルする事こそが、デザインの本質にあると考えています。同時に、この思想には限界があります。日本人はデザインに未来を見た事が、そもそも失敗であったと言えます。東京オリンピック以降、幻想のグラフィックデザインを押し付けられ、その幻想にまだ目が覚めない人が居ます。太陽の塔で有名な万国博覧会でもそうでした。デザインはいつも未来を見てきましたし、今も、神話のように語られ未来を見続けています。グラフィックデザイン。それが何か、今回のこの提示によって、1つでも気付く事があれば嬉しいです。同時にそれが、僕の見たグラフィックデザインの夢でもあります。個人的な夢を、そしてその続きを一緒に見る事が、今回の1番の願いなのかもしれません。
 
たくさん商品が並んでいて、それらのパッケージが素晴らしいパターン装飾が使われていて選ぶ事が楽しい。同じものでも色んな装飾のパッケージがあって、お店の全ての商品がまさにそんな感じで。商品を選ぶ為にお客さんが迷っているんじゃなくて、好きな装飾を選ぶ為に迷っている状態。中身の違いは多くても5種類くらいしか無くて。包装紙のように使う。千代紙のような、ただ包むだけで楽しい。お店の人が包んでいるの見るのも楽しい。お店で決めた装飾を、1つ、持つのもいいかもしれない。1つの装飾が、そのお店の雰囲気を決めたりする。そんなお店が20軒くらい並んでいたら絶対に綺麗。あのお店はあの装飾だったわ、みたいな感じで。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
花屋で花を売るように、装飾が売られているお店を始めてみたい。それはどんな形骸にもなって、例えば、紙なんかに。好きな紙を選んでもらって、素敵な印刷を選んでもらって、ほんの少しの雑談に付き合ってもらって。そしたらきっと素晴らしいと思う。装飾を買いにくる場所。理由なんて、綺麗だから、で充分。家紋みたいに、一家に1つ装飾を作ってあげてもいいかもしれない。その装飾をずっと使ってくれたら、ずっと、母、娘、子、と代々の結婚式の招待状なんかに使ってくれたりしたら、なんて素晴らしいことだろう。プレゼントに渡したいから作って欲しいなんて言われたら、飛び上がるくらいに嬉しいと思う。きっと渡す相手は喜んでくれるから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
この装飾をいろんな印刷で試してみたい。どんな印刷でも、方法でも、絶対に綺麗に刷り上がると思う。それは印刷じゃなくてもよくて、これはデータだから、どんなものにでも使える。1つの装飾を持てば色んな世界が広がる。しかもそれがデータなら尚更。いっぱいの可能性がある。それが、合う、それが、居るべき世界も作りたいし探したい。きっと場所を選ぶだろうから、ふさわしい場所で、ふさわしい印刷や加工を施したい。そしたら、何かが変わりそうな気がする。ただ、宣伝や広告の為には絶対に使いたくないし使ってほしくない。それが経済を助長させるものであってほしくない。健やかに美しい存在で在って欲しい。人々の心に届くもの。何か、感じてくれるなら、渡したい人には、積極的に渡せたら絶対に嬉しい。だって、こんなに素晴らしいものが、しかも印刷や加工が施されてある状態が愛おしくて仕方ないのだから。
 
 
 
デザインは夢。作る人達が自由を得るために考えられた最後の砦のようなもの。でした。僕はグラフィックデザインをやってきました。この愛おしくて愛おしくて仕方のないグラフィックデザインを、どうすればそれが証明出来るのかを、ずっと考えてきました。既に終わったものを夢を見て、続けているだけなんですね。しかも大勢の人間が。だからこそ実証する事にその意識を集中しているし、夢を終わらせない為にも未来を見てデザインを施している。それは同時に曖昧な嘘でもあって、僕は長くその状態に疑問を持っていました。花形装飾活字に手を出したのも、其処から来ています。提案をするという事は、夢を見ると同義であって、昨今ではその意味合いさえも曖昧さが増しています。デザインが経済に与える影響は非常に大きいというのもあって、たくさんの人が、まだまだ現役の思想として関わっています。もしくは関わり始めています。本来見てはいけない夢なのに、同時に非常に危険な行為でもあって。ここらで覚めなくてはならないと思います。もうそろそろ、夢を見なくても心地よいグラフィックデザインが出来る時期に入っているし、デザインとは違う思想において、夢を見て作っていいタイミングに来ているようにも感じています。僕が次の夢を見る前に、夢にまで見たグラフィックデザインを此処に置いておきたいと思います。もちろん、叶うのだったら何時でも良いのです。まだ希望が残っているのだとすれば、夢を共有していただけるなら、その世界は広がるような気がしていますから。1つ、このデータを手にする上で条件があります。単に欲しいから使いたいからと言って手にしないでください。残念乍らあなたの夢に加担するつもりなんてさらさらありませんし、あなたのワガママを聞けるほどに僕の心は広くないのです。その無理を押してお使いになっても良いですが、ここまで高めたモノを使う事のリスクを、よく、お考えになってからにした方が身の為だと思います。デザインは夢。僕の見たデザインへの夢を叶えてくれる意志のある方にこそ、このデータを手にするにふさわしいと考えています。

http://www.fengfeeldesign.org/print_and_pattern/print_and_pattern.zip

このデータに関しましては、全ての自己責任と器量にてお使いください。fengfeeldesignからは一切のサポートを行わないとともに、このデータが、このデータにふさわしい場所とシーンで使って頂ける事を願っております。よろしくお願いします。
そして、このサイトを公開するにあたって、紙への実現にご助力いただいた、
精光堂文房具店さん、コスモテックさんに感謝の意を伝えたいと思います。本当にありがとうございました。

最後に。もし、このサイトやデータを手に取り、何か感じたものがあって、一緒にこのグラフィックデザインという夢を叶えていただけるなら give_me_work@fengfeeldesign.org までご連絡を。お待ちしております。

また、金銭に余裕のある方は、こちらのベクターデータは、只今、「五目紙物店「寅屋」」にて販売をしております。是非、ご購入の上、fengfeeldesignの制作をご助力ください。
http://torayapaperandproducts.tumblr.com