伝票紙
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小さい頃に実家の文房具店で初めてみた活版印刷がこれでした。なんというか、率直な感想としてカッコイイ!と感じたのを覚えています。だからグラフィックデザインをしているなんて洒落た運命の話なんてものではないけれど、5年ほど前から実家の文房具店と関わりを持って活動するようになってから、印刷というものが使われている底辺について考えるようになりました。技術は進んでいるし、その広がりは突詰められたものになったはずなのに、どうにも歯車が合ってない感じ。ただ、これは何故だか歯車が合ってるように思います。無理じゃないし嘘じゃない。なによりも40年近くデザインが変わっていない。活版印刷が最近ブームように押しが強いのが面白味みたいな事になってますが、この伝票紙の活版印刷は普通なんです。職人さんがちゃんと紙が痛まないように丁度良い押し具合で印刷されていて、むしろそれがカッコイイ。丁寧に組まれた罫線なんか素晴らしいと思いませんか!活版らしさとかそういうのを通り越してる気がします。それに装飾活字もキチンと存在していて、しかもそれが長い間ずっと使われ続けているんですよ!うんうん、やっぱり印刷はこうでなくちゃいけない。印刷そのものが価値になんないで欲しい。

紙もずっと変わっていなくって「A模造紙」なんか活版印刷の為に生まれたようなものだし、「感圧紙」いわゆるノーカーボン紙なんて伝票紙にピッタリ!これらはもうずっと使われています。変わっていないというのは本当に凄い事だと思います。もちろん製本だって出来る訳です。天のり、ミシン、クロス綴りなんでも来いです。50枚綴りの10冊から出来るのも嬉しいところだし、4種類の伝票紙を順番に繰り返した状態でも、各50枚ずつでこれも10冊から出来ます。

今回、これを進めるにあたってどんな形がいいのかなと随分と考えましたが、いっその事ここでの商品の提供はせずに、これを作れる窓口の実家の文房具店でもある「精光堂文房具店」をそっと紹介するに留めるのが一番いいのかなと思いました。興味のある方は是非相談してみてください。もちろんデザインに関してはボクも積極的に関わる事になりますので、ロゴマークとか紙の種類とかも多少のワガママも利きます。もちろん伝票紙以外にも可能性を感じていただけたならご提案いただけたらと思います。デザイナーが間に入らない印刷をこの機会に味わってみてはいかがでしょうか。

精光堂文房具店(セイコー商事株式会社)http://www.seiko-do.net/
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