fournier 1742
Production for the research and verification.
フランスの何処だったかの美術大学図書館でデジタルアーカイブの事業に参加している方から、「この資料どうですか」と、どっさりと装飾系の資料データを高解像度でいただけたのがきっかけとなり、このフルニエの装飾活字のアウトライン化の作業となりました。アウトライン化はアドビイラストレーターを使用して行いました。この資料はネットでもリサーチすると手にする事が出来るのと、世間で売られているフルニエのデータは大体此処からの引用である場合が多く、あえてfengfeeldesignがアウトライン化する事も、わざわざ無いかなーと思っていた事もあり、元々は、新しいワークフローとその実践とタイポグラフィの研究の為に行なったものが、今回の「fournier 1742 Production for the research and verification.」になります。アウトライン化のコンセプトとしては、再現、ではなく、復元と活用にあります。資料元の印刷の質がちょっと悪いんですね。これは他の同じ素材データを見てもとても分かるんですが、少し時代が古いせいか、その古さそのものもパッケージされている場合がほとんどです。ノスタルジー的に見ればそれも魅力となりますが、見た目にとても悪い。なので、まずそれらを観察し整理してから、復元の後、設計を見直す作業をしています。1742年は、まだ美術的に下手な部分が多く、また技術的な未熟からか、装飾が曖昧な表現になっている箇所があったりなどします。それらを含めて手直しを行い、そこから、より使いやすいアウトライン化の在り方を模索して完成に至りました。なので、他が出版している同じモチーフの素材集などからは、少し違う印象を持つかもしれませんが、1742年に用意されていたものを、2000年台に入ってから、その技術の水準に合わせて作り直し耐久性を保たせた上で現代に蘇らせた、と見ていただけましたら、この「fournier 1742 Production for the research and verification.」が少しぐらいは魅力的に見えるかもしれません。印刷や加工への対応に関しても、様々なテストと実践を繰り返しまして十分に実用に耐えうると判断しております。